ハントした物をその土地の考古学者に渡した後、幸は銭湯で身体を温めていた。長風呂を終えると外では直斗が待っていた。
「直斗さん、待っていたんですか!?」
「うん。幸は怪我、大丈夫なの?」
「はい。軽い凍傷です。ちょっとかゆいですが、大丈夫です。直斗さんこそ大丈夫なんですか?」
幸が直斗の腕を心配そうに見る。腕には湿布が貼られており、腫れているのが目に見て分かる。
「この位よくある事だよ。これよりもっと酷い怪我も何度かした事あるし・・・・・・。」
直斗の言葉は途中で途切れ、そして幸の頭の上に手が置かれた。
「それより、幸が無事でよかった。」
満面の笑みで幸の頭を撫でた。
(あ・・・、直斗さんって、なっちゃんと似ているんだ・・・。)
直斗の掌から伝わってくる温もりが、最後になっちゃんと会った時の記憶と重なる。同じイニシャル、歴史に携わる仕事、困った笑顔、そして自分より大きな手・・・。初めて会ったとき、何故あそこまで追いかけたいと思ったのかにようやく気付いた。直斗と遠い昔の友人が重なって見えたからだった。
「幸はこれからどうするんだい? また明日もトレジャーハントするのか?」
直斗が幸を待っていた理由はこれであろう。またハントをしに行くのを心配しているようだった。
「いえ、私はチェルト遺跡に行こうと思っているんです。ニッジョ遺跡に寄ったのはたまたまで。直斗さんはまだニッジョ遺跡でハントをするんですか?」
「うん。史料が残っているからまだしばらくはここに残っているよ。・・・僕も幸みたいなトレジャーハンターに会えてよかったよ。」
直斗は手を差し出した。それを幸は強く握りしめた。
そしてそれぞれが宿泊している宿へと足を向けた。