何度か暴走したアームを避けると再び広い空間に出た。コンベアーは長細い機械の中に入っていき見えなくなった。
そしてその機械に続くように大小様々な機械が並んでいる。
「うーん、機械はいっぱいあるけれど、持って帰れそうな道具が見当たらないね。」
幸は六角水晶のペンダントを取り出してダウジングを始める。キョロキョロと辺りを見回して歩いていくうちに、パシャンと水を踏んだ。
「わっ、どこから水が?」
「え? もしかして水没してる箇所もあるのかな?」
幸の声に直斗が近付く。そして直斗が水溜まりを踏んだ瞬間、苦痛な声を上げて側の機械にもたれ掛かるように倒れこんだ。
「直斗さん!? 大丈夫ですか!?」
幸は慌てて直斗の側へ駆け寄る。身体を支えようと手を伸ばすと静電気のような痛みが手に走った。
「幸、直斗さん大丈夫なの!?」
幸が一瞬手を引っ込めたのを不信に思った鈴音が近付いてくる。
「鈴音、来ちゃダメ! この水溜まりは通電している!」
「え!?」
鈴音は水溜まりの一歩手前で立ち止まった。幸は直斗を抱えて水溜まりから離れた。
「すみません、私の靴はゴム製なので水に電気が流れている事に気付きませんでした・・・。」
幸は直斗に申し訳なくなり謝った。
「・・・いや、僕の不注意だ。工場で水が漏れていたら漏電してる可能性があったのに。」
意識はハッキリとしているが、身体が痺れているのか声が苦し気だった。
「直斗さんは少し休んでいて下さい。このフロアを見て回ってきます。」
幸は申し訳なさそうに頭を下げると、直斗の返事を聞かずに歩き始めてしまった。
「・・・・・・はぁ、情けないなぁ・・・。幸達が怪我しないように一緒に行こうって言ったのに、僕が心配かけるなんて・・・。」
直斗は幸の背中を見て悲しげにため息をつく。
「まぁ、確かに情けないですけど、でもそんなに気にしなくていいと思いますよ。」
直斗の独白を聞いた鈴音が言葉を返す。
「ハントをして怪我をするのって当たり前の事でしょうし、そもそも幸って傷付いてる人や、困ってる人がどうしようもなく苦手だから、ついつい過剰に反応してしまうんですよ。だからそんなに気にしなくていいんです。」
直斗は視線を幸から鈴音に向けると、鈴音は優しげな目で幸を見つめていた。
「・・・それでいいのかな・・・?」
しかし自分のヘマを許せず直斗が呟くと、鈴音は「いいんです。」と強調した。
「むしろ下手に幸に強がり言うと、幸も余計退かなくなるから素直になった方が楽よ?」
鈴音は初めて幸と出会って足を捻挫した時の事を思い出して苦笑した。
「鈴音って本当に幸と仲良しなんだね。・・・羨ましいな。」
直斗は寂しそうに笑った。
「今から仲良くなっていけばいいだけの話でしょ?」
一方の鈴音は訳がわからないといった顔で直斗に答えた。
「私から見たらあんた達似た者同士だし、すでに幸はあんたにかなり懐いてるように見えるし、すぐ仲良くなるわよ。」
「・・・そっか、そうだといいな。」
直斗は今度は照れくさそうに笑った。
すると幸が2人の元へ戻ってきた。
「2人共、向こうに廃材の山があったよ。もしかしたら史料になる部品が見つかるかも。」
幸の報告を聞き、直斗と鈴音は移動する事にした。