翌朝、幸はきちんと起きて出発の準備をし、プロスト村の3つの道のうち林へ続く道の前で鈴音達に見送られていた。
「本当、君には感謝しているよ。もう行ってしまうのが残念だ。」
 村長が幸に握手をしながら別れを惜しんだ。
「歴史を知る手伝いをするのが考古学者と、トレジャーハンターの仕事ですから。」
 幸はそう言った事でまた騙されやしないかと心配しつつも誤解を少しでもなくせればとそう言う事にした。
「ねぇ・・・。」
 鈴音が何やら言い辛そうに、幸に話しかける。
「私・・・あんたの事、トレジャーハンターの事、誤解してた。・・・・・・ごめんなさい。」
「別にいいよ。」
「でも、トレジャーハンター相手に盗みは止めないから。」
「・・・・・・。」
 その言葉に幸は思わず苦笑いせざるを得なかった。
「だからまた、きっと何処かで会うかもしれないわね。」
「そうだね、また会いたいな。」
 そして幸と鈴音は握手を交わした。
「それにしても、この村、私の村の雰囲気に似ていてすっごく懐かしかったよ。急に故郷に帰りたくなっちゃったな。」
 幸は郷愁に駆られ、遠い目をして言った。
「そうなんだ。・・・私もあんたみたいな人が住む村に行ってみたいわね。何て村なの?」
 その瞬間、幸の表情は翳り、
「リトス村。」
今までにない悲しげな笑みを浮かべて言った。
「リトス村!? リトス村ってあの・・・っ!」
 鈴音が村に着いて尋ねようとした瞬間、突風が吹いて鈴音の言葉はかき消されてしまった。
 そして幸の方もその言葉から逃げるように、プロスト村を去っていった。

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