全員が遺跡の外へ出たものの、その通路は形を変えずにそのまま残っていた。
「これで今後の調査はひとまず楽になるな。・・・・・・入ったとたんに道が変わらなければの話だが。」
考古学者達はこれからの遺跡調査計画を話し合っている。その中から従兄1人が抜け出してきた。
「本当に君には助けられたよ!」
若干離れて立っていた幸のところへ行き、手を握って感謝の意を表した。
「いえいえ、私はただ石版を探していただけです。それに一時は皆さんに迷惑をかけてしまいましたし。」
幸は謙遜して言う。
「昨日はすまなかった。子供が考古学者だなんて信じられなかったけど、思い込みはいけないものだな。君も立派な考古学者だ、しかも私より役に立ってる。」
従兄が苦笑いをして謝罪した。
幸も釣られて困った笑いを浮かべた。
「さて、君はこれからどうするんだい? もう次の場所へ行ってしまうのか?」
「はい。行く場所はこれからダウジングして決めますが、ひとまず今日はまだこの村にいます。・・・今出発しても、次の村に着く頃には太陽が昇っているかもしれませんから。」
幸は少しずつ西へ沈んでいく太陽を見ながら言った。
「そりゃ、そうだな。」
「よーし! そこの2人も! 今日は俺等が晩飯奢ったるぞーー!」
声の方を向くと考古学者達が大きく手招きをしていた。
「ありがとうございます!!」
2人は返事をして、その輪の中へ入っていった。