鏐飛を探す為、幸は再び水晶を取り出してダウジングを始めた。鏐飛は移動中のようで、きちんと水晶が反応してくれず、幸は半ば感で道を進んでいく。やがて人の気配を感じられたのでそちらへ向かうと、鏐飛が膝下まである大きな箱の蓋を開けようと躍起になっているのが見えた。
「鏐飛。」
 幸が呼び掛けると、鏐飛は驚いたのち恐る恐る振り返った。しかし呼び掛けたのが幸だと気付くと口元を弛ませた。
「丁度良かった! 此の蓋重くて開かないんだ。手伝ってくんない?」
 幸は近付いて一緒に持ち上げると、中にはガーデニングに使うようなスコップや鉢が幾つか入っていた。 
「・・・うーん、どれも珍しい物じゃないな。」
 箱の中を隅々まで確認した鏐飛は項垂れた。
「そういや幸、何で此方に来たの?」
 ふと幸が居る事に疑問を覚え問いかける。
「さっき琳に会ったんだけれど、鏐飛に頼って貰えないって寂しそうにしていたよ? この蓋も2人でなら開けられたんだし、頼る事は悪い事じゃないと思うよ。」
 すると鏐飛はしかめっ面になる。
「そうじゃないんだよ。琳はちょっと手助けをしてくれるんじゃなくて、全部手伝ってくるんだよ。それじゃ1人で出来たって言えないじゃないか。」
「確かにそうだけど・・・。」
「琳に言っても聞いてくれないから、今回1人でハントをやってみせて1人で出来るって琳に自覚させたら、嫌でも世話を焼く必要なんかないって解るはずだ。」
 そして「だから幸の手も借りる訳にはいかないから、ついてくんなよ!」と睨みを効かせて隣の部屋に移動してしまった。
「・・・難しいな・・・。」
 幸はぽつりと呟いた。
 2人とも互いを思いやっているが故に互いの思いに気付けずにいるのをどうすれば解ってもらえるのか。幸は悩んだが、今度は琳に会いに行く事に決めた。

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