遺跡の入口は元々の建物の入口ではなく、窓だった開口が崩れて人が立って出入り出来る大きさになっていた。床に降り立つとそこは大きな広間で、考古学者が何人か休憩したり、ミーティングを行ったりしている。彼らの横を通り過ぎる時にこちらに視線が向けられたが、腕章を着けていた為会釈だけして各々の作業に戻った。
中は所々に電球がぶら下がっているが、全体的に薄暗い。壁に燭台を置けそうな突起が等間隔に並んでいるので、早くから電気による照明を使用していたフロンティアにしてはかなり古い遺跡のようだ。地図を見つつも道なりに進んでいくと突然道が途切れ、眼下に吹き抜けの大広間が現れた。足元には下へと降りる縄ばしごが伸びている。
慎重にはしごを降り、床に辿り着いてから辺りを見回す。
「すごい。壁一面に絵が描かれていたんだ。」
壁面には顔料で何かが描かれていたようだが、すっかり塗装が落ちてしまっていて、考古学者達が分析する為に壁際のあちこちに足場を組んでいた。
興味を引かれるものの、まずはトレジャーハントだと水晶のペンダントを取り出しダウジングを開始する。広間からは通路が幾つも伸びていたので、その中から1番反応の強い道を選んで進み始めた。
道は複雑に分かれていて、さらにあちこちに小部屋がある。通りすがら部屋を覗いていくが特に何も置いていない。時々縄ばしごで下や上に進んで行くうちに、メモを取っているのにどのくらい進んだのか分からなくなりそうなほど深くまで進んでいた。
「本当にすごく大きな遺跡だなぁ。何の建物だったんだろう?」
再び下へ降りれる場所に出たが、縄ばしごが掛かっていない。地図もここで途切れている。どうやらここから先がまだ考古学者達が立ち入れてない場所のようだ。
「史料があるとしたらここからだね。」
幸は身を引き締めて下の階へ飛び降りた。
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