遺跡から出ようとした幸は、あの男性達とばったり出会ってしまった。
「げっ。お前何でこんな所に!?
 男性達が警戒して後ろに1歩下がる。
「この遺跡を調査しに来ました。あ、もしトレジャーハントに来たのでしたら、この遺跡にはもう調度品も、歴史的資料も、何も残っていませんでしたよ?」
 遺跡を荒らされる危険性をなくす為男性達にそう言い、横を通り抜けようとした。が、
「ちょっと、待った。何でそんな事が分かる。」
男性が幸の腕を掴み、引き止める。
「何で、ってそりゃあ遺跡内部を全て見ましたから。」
 出口に戻る途中に一応探してみたが、水晶以外はもう何も出てこなかったので、やはり全て回収されてしまったのだろう。
 男性の手を振り払って進もうとすると、
「いや・・・、もしかして嬢ちゃん、遺跡内で何か手に入れたんじゃないか・・・?」
男性が何かに気付き、いやらしい笑みを浮かべる。
 幸はキッと睨み返したが、お金が係っているとなると男性達も引き下がらない。
「言いましたよ、『何も残っていない』って。」
「そんな事、無いだろ?」
 相手が攻撃態勢に入る。幸は1歩退く。
(どうしよう。こんな狭い所で下手に暴れて遺跡を傷つけたくないし。)
 その時、壁に不自然に出っ張ったレンガを見付けた。
(これは・・・、トラップ発動装置?)
 気が付いた時には、幸はそのレンガを押していた。

ガコンッ!!

「へ?」
 男性達の足元の床が抜けた。
「うわあぁぁ!!
 ドンッ!
 落とし穴はそこまで深くは無く、男性達は尻餅をついただけで済んだ。
「なっ、何が起きたんだ!?
(あ、やっぱり。)
 男性達は何が起きたのか理解が出来ず、うろたえている。
「てめぇ! いったい何をしたんだ!?
「トラップが発動しそうなスイッチを見つけたので押してみました。」
「押すなよ! 危ねえだろうが!!
「あなた達の方が断然危なそうだったので。」
 しれっと答え、3メートルはある大穴をいともたやすく飛び越え出口へと歩き始める。
!? 俺の豪腕を止めたり、こんな穴を飛び越えるとか・・・。お前、一体何者なんだ!?
 足を止め、男性達の方を振り返る。
「何者と言われましても、考古学者、兼トレジャーハンターとしか答えようがないですね。」
「なっ!?
 彼らが何か言いたそうな顔をしていたが、これ以上関わっても面倒くさそうなので、放っておいて出口に向って走り出した。

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