村長から考古学者が滞在している場所を教えてもらい、建物の扉を叩いた。
「はい、・・・ってお前、さっきの。」
中から出てきた人は、先程の騒動でぶつけられてしまった男性だった。
「もしかして、村の奴らに何か言われてやってきたのか?」
男性が眼光を鋭くする。
「はい、村民の合意なしに発掘調査を行おうとしていると聞きまして、その理由を確認しにきました。」
先程の騒動を思い出し、たじろきそうになるのを堪えて幸は毅然と答えた。
それを聞いた男性は面倒臭そうに頭を掻いた。
「そういやお前、考古学者とか言ってたな。その歳で何がわかる?」
「きちんとした説明もなく調査を強行されましたら例え60歳でも理解出来ませんよ。」
幸は年数を引き合いに出されたら敵う訳がないので、強気の口調で言い返す。
「あのな、こっちは他にも調査する事があるんだ。住民が納得するまで説明する時間がないんだ。」
「ならこちらの調査は後回しでいいんじゃないですか?」
その言葉を聞いて男性はうんざりした表情になる。
「はぁ? 後回しにする時間がねーから困ってんだよ。」
「後から調査に充てる時間が貰えない、つまりまだ時間を裂くに値する程重大なものが発掘されていないって事ですか?」
「!?」
男性はまさに図星といった顔で固まる。
「フロンティアはそのままシャナ国の下に埋まっているのですから、言ってしまえばどこでも掘り返したら何らかのものは絶対に出てくるんです。だったら一旦ここは無理に作業を進めようとせず、住民の納得を得てからの方が効率がいいのではないでしょうか?」
「〜〜っ! だから、その時間がねぇっつってんだろ!」
男性はこのままでは堂々巡りだと思い、扉を勢いよく閉めてしまった。
「・・・ダメか・・・。」
幸は落ち込んで公民館へ戻っていった。